2011年8月31日水曜日

放射性物質の地上近くの大気濃度(3/12~3/23) 2011/8/25国立環境研


国立環境研究所が2011/8/25に発表した拡散シミュレーションから、3/12~3/23の地上近くの大気濃度の動画です。

ヨウ素131とセシウム137の動画を左右に同時表示しています。国立環境研のwebサイトで公開されていたMotionGIFの再生速度が速すぎて確認しづらいため、再­生速度を遅くしてあります。

多くの方が給水車や買い物で屋外で並んでいた時に、放射性物質を含んだプルームが通過していました。正確な被曝量は算出できませんがご自身の行動記録などと照らし合わせら­れるよう、ゆっくり確認できる速度にしてあります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 当時のブログで記載したが、正に妻と一緒に給水、ガソリン、屋根、他の被害の確認の為、屋外をうろついていた時期でした。

15日の爆発が、現在の汚染の最大原因で、人災だった。
何処に不満をぶつけたら良いのか?
一瞬の爆発が何十年も故郷から離れた生活を余議なくさせられた。
廃棄物処理、廃棄物の危険からの安全、安心生活を取り戻すのは後、何十万年か?

公表が何故、今頃なのか?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【福島第一原発事故時系列まとめ】


●11日15時25分: 【地震】女川原発自動停止 東京電力は確認中[テレビ朝日]
・11日午後3時前の時点で、女川原子力発電の1、2、3号機のすべてが自動停止


●11日15時25分: 福島第1・第2原発が自動停止[日テレ]


●11日16時38分: 原発11基が自動停止 周辺に異常なしと保安院[MSN産経]
・宮城県の東北電力女川原発1~3号機(女川町)
・福島県の東京電力福島第1原発1~3号機
・福島第2原発1~4号機
・茨城県の日本原子力発電東海第2原発
計11基が自動停止


●11日18時1分: 東電、福島第一原発、外部電源が一部故障[朝日]
・自動停止した1,2,3号機向けの外部電源2系統のうち、1系統が故障停止
・非常用ディーゼル発電が起動したが、午後3時41分に故障停止
・外部電源が確保できない状況
・第一次緊急時態勢


●11日23時35分: 福島第1原発、冷却機能停止、復旧急ぐ[日刊工業]


●12日6時42分: 地震:放射線量1000倍に 福島第1原発・中央制御室[2011/3/12 6:42][毎日]
・福島第1原発1号機の中央制御室で検出された放射線量が通常時の約1000倍に達した
・放射性物質を含む蒸気が建物内に拡散している可能性


●12日6時44分: 福島第1原発、避難区域10キロに拡大 放射線量8倍[日経]
・「原子力建屋の中でなんらかの機器が破損し、放射能が外部に漏れている可能性があるため」


●12日7時36分: 菅首相、福島第1原発近くに到着[毎日]
・首相が原発近くのヘリポートに到着。


●12日7時36分: 第二原発でも緊急事態通報[NHK]
・福島第二原子力発電所では、1号機と2号機、4号機で、原子炉を十分に冷やすことができなくなっている
・福島第一原発に続き「緊急事態」の通報がおこなわれた


●12日7時46分: 福島第二でも重大事故 原子炉の圧力抑えられぬ状態[朝日]
・福島第二原子力発電所の1、2、4号機で圧力抑制室の温度が100度を超え、原子炉の圧力を抑えることができなくなった
・原子炉内に水を補給して対処


●12日8時0分: 福島第二原発で作業員1人死亡 第一では2人が不明[朝日]
・地震の発生直後に福島県の福島第二原発で協力会社の作業員が死亡
・第一原発で社員2人が行方不明


●12日12時33分: 東電幹部「燃料が損傷の可能性」 福島第1原発1号機[MSN産経]
・福島第1原発1号機の燃料が損傷している可能性
・原子炉内の水位が燃料の上部先端から約50センチ低い
・「燃料は過熱のおそれがあり、損傷の可能性も否定できない」


●12日13時14分: 東電副社長が会見 停電で原子炉の空気圧下げは人力[MSN産経]
・12日はピークを迎える18時から19時に3800万KWの電力需要が想定されるが、供給力は3700万KWしかない。節電がおこなわれないと停電が広がるおそれ。


●12日14時15分: 福島第一原発1号機周辺で、核分裂によって発生するセシウムという放射性物質が検出されたことから、炉心にある核燃料の一部が溶けでたと見ていると発表(保安院)[NHK]


●12日14時45分頃: 1号機はECCSが動いてないようなので、炉心溶融が進むと危ない。過熱すると原子炉が壊れて大変なことになるが、それを避けるために蒸気を逃がすと、放射能が大量に出るスリーマイル型の災害になる。たぶん後者を選ぶしかない。 @ikedanob 池田信夫さんTwitter


●12日15時36分:福島第一原発第1号機が爆発。4名負傷。白煙があがる。(この事実は2時間隠蔽された。詳細が発表されるまで5時間を要した)


●12日16時半頃:福島第一原発にて爆発音。白煙が上がっているとの報告もあり。作業員4名が怪我。(朝日新聞)


●12日17時45分:爆発音の発生を受け、官房長官が緊急会見。「原子炉そのものとは確認されていないが、なんらかの爆発的な事象が確認された。総理や専門家をまじえて、情報の把握と分析など対応にあたっているところである。放射能について測定はおこなわれているところであるが、18時過ぎに新しい数字がでてきます。落ち着いて行動を。」


●12日19時16分頃: 福島第一原発の避難指示が半径20キロに拡大された。


●12日20時20分: 福島第一原発第1号機の圧力容器へ海水注入が開始される


●12日20時30分: 菅直人首相が会見。続いて枝野幸男官房長官が会見。MSN産経による会見詳報,NHK科学文化部ブログによる全文書き起こし


●12日22時15分: 福島第一原発第1号機への海水注水作業を中断。地震発生のため。


●13日1時23分: 福島第一原発第1号機への海水注入再開


●13日5時: 官邸ホームページの地震関連ページに資料追加「東北地方太平洋沖地震への対応」(PDFファイル)


●13日7時2分:福島第一原発第1号機の圧力容器が海水で満たされる


●13日13時50分: 東北電力女川原子力発電所(宮城県女川町~石巻市)にて基準値の4倍を超える放射線値を検知。福島原発から風で流れてきたものか?


●13日15時30分:福島第一原発第3号機、爆発のおそれありと官房長官が会見で発表。
(3号機はプルサーマル発電。MOX燃料(プルトニウム+ウラン))


●14日6時50分: 福島第一原発第3号機で放射線を帯びた蒸気の放出検討のため作業中の作業員に屋内退避指示。作業員は原子炉を冷やすための海水注入作業にあたっていた。


●14日11時1分: 福島第一原発第3号機で水素爆発が発生。爆発音は2回にわたり、水素爆発特有の白い煙とは別に灰褐色の煙が高くあがったとの情報。第3号機の建物外壁がなくなり、骨組のみとなっている模様。半径20キロ圏内屋内退避指示


●14日11時15分: 福島県沿岸部、津波接近との情報


●14日12時0分: 原子力安全・保安院が会見。福島第一第3号機の爆発で負傷者が出ており救急車の要請をおこなっていると発表。上空の風向きは西~南西。


●福島原発付近の病院で被曝した関係者のうち3人が除染後も汚染の高い数値が検出された。、2次被ばく医療機関に搬送。


●福島第一第3号機、格納容器は健全であり放射性物質飛散の可能性低いと官房長官発表


●14日13時38分: 福島第一原発第2号機、冷却水の循環ポンプが停止。炉内の圧力が上昇し水位低下がはじまる


●14日15時45分: 福島第一原発第2号機の冷却機能がすべて失われたとの報道


●14日15時45分: 東北電力原町家電発電所で火事との報道


●14日16時30分頃: 福島第一原発第2号機に海水注入開始


●14日17時17分: 福島第一原発第2号機、燃料棒上端の露出がはじまる


●14日18時22分: 福島第一原発第2号機、燃料棒が完全露出


●14日21時37分: 福島第一原発周辺の放射線量が3,130マイクロシーベルトであったと発表「15条通報」


●14日23時20分: 福島第一原発第2号機で再び燃料棒が完全露出(ダウンスケール)
なんらかの理由により弁が閉まってしまい、それにより内部の圧力が高まり、水を注入できなくなった。


●15日1時10分: 福島第一原発第2号機 安全弁が開き炉内の圧力低下


●15日6時10分: 福島1-2で爆発音


●15日6時10分: 福島1-2 サプレッションプール(圧力抑制室)に損傷が発見される。放射性物質の閉じ込めがうまくいっていない可能性


●15日8時30分頃: 福島1-2の水位が回復をはじめ、燃料棒の半分程が露出している状態との報


●15日8時30分頃: 政府が統合対策本部を立ち上げたとの報


●15日8時30分頃: 福島1-2 発電所所長判断で一部従業員が退避を始める


●15日8時31分: 福島第一原子力発電所正門付近で8,217マイクロシーベルト/h計測との報


●15日9時頃 米国に原子炉の温度を下げるための支援を要請、午前中に米軍横田基地のポンプ車が届く予定


●15日11時0分: 菅総理より国民へのメッセージ発表。福島第一原子力発電所より20キロメートル以内より全員退避。30キロメートル以内は屋内待機。福島第ニ原子力発電所については10キロメートル以内より退避。


●15日11時13分: 枝野官房長官、福島第一原発2号機3号機付近で最大400ミリシーベルト/hの計測結果。(1ミリシーベルトは1000マイクロシーベルトに相当)。


●16日8時30分: 福島1-3より白煙。原因不明。水蒸気かと言われている。格納容器からの水蒸気であると推測され、これは放射性を帯びたものである可能性がある。


●16日11時30分頃: 枝野官房長官(総理大臣官邸)会見にて。福島第一原発。「ミリ(シーベルト)単位の(計測結果がでている」ので作業員は退避している。4号機への注水は地上からの注水を準備中。まだ注水はおこなっていない。空中からの注水をせよとの意見もあるが、リスクが高いため現実的ではない。


●16日午後4時頃:政府の対策本部からの要請を受けて、福島第一原子力発電所の3号機へ水を投下する
準備を進めていた自衛隊のヘリコプターは、上空の放射線量が規定された上限を大幅に
超えていることから、16日の作業を断念した。


●16日:米軍が福島第一原発93キロメートル以内の立ち入りを原則禁止


●17日9時48分: 自衛隊が福島第一原発への散水を開始。3号機4号機。


●17日: 福島第一原発へのヘリコプターからの散水の結果。
放水前 :3782マイクロシーベルト
放水後 :3754マイクロシーベルト


●【福島第一原発事故 上空からの現場映像】

http://www.ustream.tv/channel/iwj7


●18日: 福島第一原発の電源復旧作業が19日以降にずれこむとの報。当初17日と言われていた作業。電源復旧後、冷却装置を作動させる予定だった。


●18日: 福島第一原発敷地内の共用プールという場所に使用済み燃料があと6400本あるとの報。津波で共用プールの冷却装置は故障している。数年かけて冷却されているものであるが、11日の地震以降、水温水位ともに測定できていない。


●19日午前: 菅首相が民主党で代表経験者のうち鳩山由紀夫前首相、小沢一郎元代表、前原誠司前外相と首相官邸で会談、震災対応について協力を要請との報。


●19日: 東京電力は従業員が福島原発事故で受ける被曝限度を100ミリシーベルトから150ミリシーベルトに引き上げたとの報


●19日: 福島1-2への電源ケーブル敷設が完了


●19日16時過ぎ: 枝野官房長官会見[全文]


●19日: [政治]菅直人首相が自民党の谷垣禎一総裁に副総理兼震災復興担当相での入閣を打診したが拒否された。(MSN産経)


2011年8月30日火曜日

 

 今回の大震災で福島県は特に原発風評の心理的被害を受けた。目に見える物の破壊からの復旧、復興は物理的な腕力で解決策は見いだせるが、心理的被害はどのように対応するか?。

本日、日本は新総理大臣を選出し、目前の最大課題の震災復興が待った無しで、迅速に強力に進めて行かねばならぬ。ヒントを与える文章を見つけた。


経済復興対応 

・これまでの、GDP2位(最近は中国に抜かれたが)の経済的実力の日本国の  体力の全面投入。

・世界が今回、驚嘆した日本国民の長年培った資質の発揮、全国民一丸の復興 努力。


風評対応

 ・安全と安心は違う・・・安全を訴えるのではなく、安心の信頼を築く

 ・母と子の信頼関係は外部からのあらゆる攻撃から母と子を守る

  

『トヨタ危機の教訓』

アメリカの経営学者ジェフリー・ライカー氏とオグデン氏共著の

・トヨタがリーマンショックに次ぐ不況と

・全米で騒がれた急加速問題という

2大危機を如何にして乗り越えたか

教訓1 「あなたの会社の危機への対応は昨日始まった」
危機をチャンスに転じるのは、すべからく企業文化であるとの結論、これ
が一番目に来る。

それは、危機が始まる前から全社員に植え付けられていた行動だ。われわれ
の推測では、不況という危機への対応で最も重要な決定は、不況到来前の好
調な時期に保守的なバランスシートを維持し、

・多額の現金を手元に置き、

・高い信用格付けを獲得したことだ。

たとえば、好調な時期に築き上げた良好な財務体質があったからこそ、

・不況時に人員整理をしないどころか、今後を見据えた人材育成に力を注ぐ

ことができた。

・トヨタは急加速問題で40億ドルものマイナスを背負いながら、

全米のトヨタディーラーに前年以上の好業績を生ませた。それまでに蓄えたカ
ネをディーラー救済のためにつぎ込んだからであり

その裏付けとなったのは長年にわたる良好な財務体質であった。

トヨタは日本だけで社員数が32万人に上る大企業である、全世界では10
0万人にもなろう。それだけの人が一致して危機を乗り越えようとするには、
トップの一言や通達などで済むわけはない。また、新しく作ったビジョンや
目標などで済むわけはない。長い時間をかけてつくった企業文化こそがもの
を言うのだ。

良好な財務力だけでなく、ハンセイ(反省)の文化、チャレンジ精神、人間尊重の精神、ゲンチ・ゲンブツ(現地・現物)、カイゼン(改善)、チームワーク等を取りあげて、これらの徹底こそがトヨタの企業文化であり、これが危機を乗り越えた原動力である。

・「企業の真の危機とは順境の時にある。危機は順境の時に芽生えている」

とか

・「事の成るは逆境の日にあり。事の破るるは順境の日にあり」と言われる。

「社長とは究極のハイリス請負業である」と言われるが、そのことを豊田社長が体現した。


「ハンセイとは単なる内省よりずっと深い。

・それは自分の弱点に正直になることを意味する。

・でもそれで終わるわけではない。自分の弱点を克服するた
めに、自分をどのように変えるかが問題」。

教訓2「責任を負う企業文化は、責任転嫁の企業文化に勝つ」

たとえば、リーマンショックを引き金とする世界の自動車業界を襲った大不
況、そしてアメリカでの急加速問題に関する誤解に満ちたメディアの報道。
いずれも、トヨタの責任とはいえない面が多々ある。
いくら自己責任といっても、トヨタはこの2つにも自己責任の原則を守るべ
きだろうか?ところが、トヨタは敢然としてその両方に責任を負い、一切の言い訳をしな
かった。たとえば、急加速問題と組み合わせて追求された「戻りにくいペダル」を製
造していたのは部品メーカーのCTS社である。トヨタはCTS社も含めて、


如何なる品質欠陥も部品メーカーのせいにはしないという方針を守り抜いた。


「その部品を車に入れたのは私たちだ。だから責任はトヨタにある。それだ
けの話だ」という態度を初めから最後まで貫き通した。

結局のところ、急加速問題とは車自体の問題ではなく、「車の使い方」、
「運転方法」の問題であった。したがって、「車を運転するユーザー」の責
任に帰するという答えもあったはずである。しかし、トヨタはそのような答
えを出さず、次のように考えた。豊田章男社長の言である。

「私たちが学んだ教訓の一つが、安全と安心とは違うということだ。私は自
信を持ってトヨタの車は安全だと言うが、(車に関するあらゆる事項に関し
て)お客様にもっと安心していただけるように説明することについて、改善
の余地があったと思う」。

すなわち、いくら安全な車ではあっても、お客様はそれだけで安心するとは
限らない。安全と安心は違うと考えた。そのギャップを埋めることにトヨタ
は改善の余地を見出した、という。

そして、「トヨタの失敗は、お客様の心の中に善意の基盤を作らなかったこ
とだ」とし、豊田章男社長は次のようにそれを説明したという。

大量生産した料理がいかに安全だとしても、母親が作ってくれた食事と同じ
ような安心感は得られない。仮に食事を食べたあとに、その人が病気になっ
たとする。そして、誰かが母親の作った料理がその原因だったとする噂を流
したとする。しかし、病気になった本人はそれを信じないだろう。このよう
に、母と子の信頼関係は外部からのあらゆる攻撃から母と子を守る。

「このような場合でも、母と子の関係は変わらないでしょう。私は母と子の
関係は外部の雑音から完全に遮断されていると思う。・・・・そこで私たち
がお客様に話しかける方法も、安心感を持って貰えるようにもっと改善しな
ければいけない」。

すなわち、2億4千万人の人とトヨタとの関係を母子関係と同様なものにし
よう、というのだ。2億4千万人の子供を持つ母親!

それができなかったことを反省するというのだから、並みの話ではない。そ
れほどまでに徹底して自己責任を追及するのだ。

トヨタが急加速問題で苦境に立ったのは、マスメディアで報道される噂や暗
示によって過度に不信感を持たれたためである。これについて、トヨタは次
のように考えたという。

なぜ、多くの人々がそんな根拠のない噂や暗示に乗り、トヨタ車が暴走する
などという印象を持ったのか?なぜ、そのように人々の論理が飛躍してしま
うのだろうか?自分たちが決して情報を隠したわけではないのに、なぜ人々
はトヨタは嘘をついている、都合の悪いことを隠している、と思ったのだろ
うか?

そういうことを徹底的に調べ、考えた結果として「お客様の安心を得る点で
努力が足りなかった」と結論を出した。これほどまでに自己責任を追及する。


教訓3 「最良の文化でも弱点が生まれる」

何年間もトヨタを研究してきたが、継続的改善が共有された企
業文化への投資は驚異的であり、他社には見られないユニークなものだ。

ここでの教訓は、最善の文化でも弱点が生まれることだ。これだけトヨタウェ
イ(トヨタ式)を全社に広めるために努力しているトヨタですら、文化の弱
体化に襲われることがあるとしたら、他社も同様だ。

それを避ける確実な方法はない。トヨタの経験が示すように、

継続的改善の文化にとって最大の危険は成功することだ。

それでは成功がもたらした弱点とは何だろうか?それについて、豊田章男社
長が次のように語ったという。

「問題は成長ペースが人材育成ペースより速かったこと・・・・成長ペース
の問題ではなく、成長ペースと人材育成ペースとの関係が問題だった」と。

年々シェアを拡大し続け、ついに自動車業界トップに到達したのはよいが、
その売り上げ拡大ペースが速すぎて、人材育成ペースがそれに追従できなく
なっていた。それが致命的な問題だ、というのだ。

具体的には、どういう点で人材育成が遅れたというのだろうか?それについ
て、豊田章男社長は言う。

「私は社員が目的と手段を混同していることに気づいた。換言すると、トヨ
タにとっての目的は自動車事業を通じて社会に貢献することだ。

その目的を達成する手段として、より多くの車を売って、その結果、再投資
する資源をより多く手に入れようとする。

しかし、より高い売上と利益を目的にすると、大きな過ちを犯すことになる」
と。


教訓4 「企業文化のグローバル化とは、バランスを取り続けること」

トヨタの企業文化の強みは、それが共有されていることだ。現代の多国籍
企業にとって最大の難問は多数の国の文化を横断して企業文化を共有するこ
とだ。

しかし、それがアメリカ現地の人々の感情からやや離れた意志決定をさせる
原因になってしまった。したがって、今回の危機をきっかけにして、トヨタ
は意志決定権を世界各国の現地法人に与えることにした。

それはよいのだが、今度は必ず意志決定が各国で乱れたり、遅れたりすると
いう問題が起こるであろう。「意志決定の分散化には当然リスクが伴う」と
はそういうことである。

集中化と分散化、グローバルとローカルとの適切なバランスを取ることが困
難至極なのは、誰もが知っている。それを承知の上で、トヨタは意志決定を
世界中に分散させることにした。

それは、トヨタが持つ非常にローカル色の強い企業文化をグローバル化させ
ることである。それができなければ、今後のトヨタは意志決定の過ちと遅れ
に悩まされることになろう



2011年8月29日月曜日

映画『神様のカルテ』予告編


 娘からのプレゼントのチケットで、久しぶりにシネマックスちはら台で妻と観た。
予測された展開内容だったが、予測外の透き通るピアノの音色が聞こえて来た。
物語が終わり、テロップで誰が弾いているのだろうと、演奏者の名を探したら、辻井さんだと解り、納得した。
 彼は、松本の撮影現場を訪れ、そのインスピレーションで翌日に、即興演奏で自身初となる映画のテーマ曲を作りあげたそうだ。

 映画は素晴らしい景色の穂高連峰をバックに医者の葛藤、暖かく見守る妻。「癌で命は尽きるかも知れないが、最後に幸せな時を生きることが出来たことへの回りへの感謝」が表現されているが、辻井さんは盲目でありながら、その情景を天性の感性で消化し、情感溢れる、静かな、明日への希望を感じさせる調べが涙を誘った。

 もう一人、同じ音色、鍵盤タッチの演奏者を思い出した。彼のピアノ演奏を直接聞いたことがあるが、CDは妹からプレゼントされ、大切に持っている。
彼とは加藤実さんのピアノ演奏だ。http://music.geocities.jp/mino_pf/index.html
音色はその人の人生観が表現されるのだと、気付いた。辻井さんと、加藤さんのそれは、良く似てると思う。



2011年8月27日土曜日

NHKスペシャル「日本新生」私たちのエネルギーを観た。

 核燃料廃棄物の処置方法が、世界のどの国でも見い出せて無い。
以前のブログで記載したが、映画「10万年後の安全」では無人島の地下奥深く埋めるしかない方法だ。
それも完全な安全は確保されてない。自然エネルギー論争が活発化してるが、原子力エネルギーの代替には相当時間が掛る。

 一方、我々の生き方そのものの、見直しも問われている。100坪の家庭菜園で悪戦苦闘してるが、無農薬、米糠、竹パウダー肥料の自然農法にチャレンジしてる。胡瓜、茄子、トマト、シシトウ、ピーマン、トウモロコシ、キャベツ、枝豆、インゲン、ネギ、ニラ、オクラ、人参、大根、アスパラ、カブ等、毎日、妻の手料理で食卓を賑やかしてる。贅沢三昧の食生活だ。自然の恵みに感謝、感謝だ!

「足りない、足りない、工夫が足りない」
「自然の摂理に則って生きる」
「全ては宇宙の采配」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
世界で初めて無農薬・無施肥のりんごの栽培に成功したりんご農家・木村秋則氏。
と、酪農家・斎藤晶氏とのご対談記事
  


「足りない、足りない、工夫が足りない」
       
  木村秋則(りんご農家)
        
「自然の摂理に則って生きる」の記事より
────────────────────────────────────

実は、以前見たことがある戦時中の新聞に、
こんな言葉があったんです。



「足りない、足りない、工夫が足りない」


って。

私はいつも、この言葉が
頭にこびりついて離れないんです。


結局さ、自分のやったことが間違っているから
(りんごの木の)葉っぱが落ちるんですよ。
間違っているから虫が集まるんですよ。

それを見て、女房が悪い、天気が悪いって、
ほかに責任を転嫁する人が
いまはあまりにも多いと思うんです。

そうじゃなくて、自分が悪いんだと。
自分が勉強不足なんだ、観察不足なんだ、ということなんです。




だから(対談相手の)斎藤さんがおっしゃったように、
誰も気づかないところを見る目、
キャッチする力が大事になってくるんです。


同じものを見ても、表を見るのか、
裏を見るのか、それとも横を見るのか、
その見方によってみんな捉え方が違うと思うんです。


斎藤さんは、牛や馬や人間が歩くところをよく見ていて、
牧草が芽を出していることに気づいたとおっしゃいましたが、
そういうのは、いま見たからってすぐ答えは見えないですよ。

3か月も4か月も見続けてやっと分かることですから。
自然というのは、それくらい長いサイクルで
動いているんじゃないかなと思う。



だけど、きょうやったからきょう結果を出すのが現代社会です。
まるで時間に押し流されるように結果を求めようと
しているのがいまの社会じゃないかなと思います。



自然はよ、きっと笑っているかもしれないです。
人間は一体何をやってるんだと。
せかせか動いてこんなに自然から
かけ離れた社会をつくってしまって。


もう少しのんびりしなさいよ、
余裕を持って自然を見つめてみなさい、
自然の摂理に帰りなさいって、
自然は私たちに話し掛けていると思う。



         (略)

北海道・旭川の斎藤牧場の斎藤晶さん。19歳のとき開拓農民として山形より旭川へ。しかし笹と石だらけの土地で農業の限界を感じ、発想を変え酪農に転換。牛にできないこと­を人間が手伝えばいい。その考えと実践が海外から高く評価され、海外からの見学者が絶えない。牧場だけの草だけを食べている斎藤牧場のミルクはミルクの概念を覆させる味で­ある。】



常識の中には間違っているものも
多いんじゃないかと私は思います。

斎藤さんにしても私にしても、周りから
変わり者とされているけれどもさ、
逆に自分の間違いに気づかないでいる人も
すごく多いと思うんです。

学問栄えて国滅びるっていうけれども、
いまの社会の混乱ぶりがそれをよく表して
いるんじゃないでしょうか。


2011年8月25日木曜日

福島県HP「がんばろう福島!」”絆”づくり応援事業の活用事例
 
 伊達市教育委員会は小中学校のプール除染を福島県に要請した。
被災地の雇用創出の応援事業の一環で行うことと成った。作業出来る友人を紹介した。汚染除去作業は敬遠しがちだが、友人達は子供達の為の思いから参加した。感謝である。

 
 昨日、安全な作業かが心配で、伊達市にある月館小学校の作業現場を視察した。 日本原子力研究開発機構の指導の基、作業を行っていた。開発機構からは3人が現場指導。作業者は18人前後。
 内2人は計測、データー入力。
作業工程はプールへゼオライト散布→タンクへ掬い上げ→計測→濃度が高い場合   →次のタンクのゼオライトで除染→計測→基準値以下→外部へ放流   →凝縮廃棄物の一時保管。作業は安全に行っていたが、気の緩みないよう、安全第一を願います。

 今回作業の目的は除染方法の確立にあるが、開発機構の 話では、汚染濃度が低いので、高濃度除染方法確認が今後の課題。 ゼオライトの除染効果は確認できたと話していた。  
 本日、教育長に除染作業状況をご報告した。教育長は「大変
な作業に協力頂き感謝する。
今後、除染対象は
多くあり、今後とも協力をお願したい」と、話された。


 

放射能測定器

 除染を強力に進め、安全、安心な自然豊かな故郷を取り戻す為、今後とも努力せねばと、改めて考えさせられた。
 
友人のブログ掲載写真










2011年8月21日日曜日

『コクリコ坂から』予告編 The latest trailer for Studio Ghibli "Kokuriko-Zaka Kara"

「コクリコ坂から」



監督:宮崎吾朗 企画・脚本:宮崎駿   スタジオジブリ最新作。

東京オリンピック開催を目前に控えた1963年の横浜。女系家族の長女である松崎海(声:長澤まさみ)は高校二年生。父を海で亡くし、仕事を持つ母・良子(風吹ジュン)をたすけて、下宿人もふくめ6人の大世帯の面倒を見ている。そんな海は、同じ高校に通う新聞部の部長・風間俊(岡田准一)に心を寄せるのだが……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 去年、東京に嫁いだ長女が「面白いよ」の話しがあり、何時もそうしてるが、家族が集まると話題作の映画を鑑賞してる。今回は夏季休暇で帰省してる息子、末娘、妻と観に行った。この映画も3月11日の大震災前に企画されたはずだが、最近の映画は、震災前に製作されて、偶然だが、震災後の日本を勇気づける作品の放映が多い。
 
 私も団塊の世代だが、人口の1/4が60歳以上の日本を意識した商品、作品、メデイア、ビジネス、等が時代の潮流と成っている。作品内容を全く知らずに鑑賞したが、自分の青春時代を重ね合せる映像で、音楽もノストラジックな郷愁をおび、”上を向いて歩こう”の曲も流れ、効果的だった。
 学生達の種々雑多な、美術、哲学、音楽、新聞・・等の部室が入る建物の取り壊しに立ちあがる、生徒達の団結、そこに生まれる純愛等が昔懐かしく描かれていた。私の学生時代の木造のいろいろなクラブの集合部室を思い出した。非常に乱雑で足の踏み場の無い、情景が全く同じで、懐かしかった。古き物、文化、歴史を大切にせずに、どうして新しきものが創造できるか、の学校理事長の一言で、建物の取り壊しが免れた。

 震災後、東京に居る、子供達3人、3人の妹達は放射能、余震等の心配で、よく電話が来るように成り、妻との会話も多くなり、家族の絆が深まったような気がする。来週は千葉に行く予定で、久しぶりに3人の子供達、3人の妹家族、総勢10余名での墓参、会食が楽しみだ。
 

2011年8月20日土曜日

最近、運、出会い、縁、絆を深く考えてる。
現在の自分が今、ここに存在するのは”神のはからい”ではないかと感じてる。
感謝、感激である。

 私の現在地は福島県伊達市保原町だ。3月11日に1000年に1度の大震災に襲われた。
10余年の中国駐在生活から帰国してからの震災だ。もし、中国在住時だったら、日本に残した家族が心配で仕事が手に着かない状態だったろう。原発事故の放射能汚染も解決の先が見えない。帰国後、日本不在の家族への罪滅ぼしで、運良く、私が見染めた人との長女の縁談を纏めた。これから、将来の子育てを考えると、原発事故前に東京へ嫁げたのは幸いで有る。
 
 
帰国後、中国人との友人、国内の絵の仲間、会社OB仲間、地域教育関係仲間、町内仲間、他の友人仲間と震災の復旧、復興支援のボランテイアをお手伝いさせて頂いているが、それぞれの友人はその時、それぞれの出会いを大切にし、出会った後はメール等で必ず挨拶を取り交わし、絆のロープを切らないよう、なお且つ、強固なロープ形成の努力を継続してる。絆ネットワークはアメーバー組織のように予測もしない広がりを見せる。

 ネットワーク広がりはその時の出会いが遠因と成って、次なる出会いへと進む。中国在住時もそうだったが、帰国後も新たな多くの人と出会い、大きな刺激を受けてる。大いに感謝である。目に見えない”神のはからい”が今後、何処へ導くのか?楽しみで有る。どのような道でも感謝で受入れることが出来るように、常に柔軟な思考、態度を鍛練したい。
私の座右の銘、老子「無為自然」の境地を追及したい。

----------------------------------------------------------------
メリヤス卸問屋の3代目として戦後、身を起こし、
   昭和30年に「サン モトヤマ」を設立。
   グッチ、エルメス、ロエベなど、一流ブランドの
   輸入販売を手掛け、日本に世界の文化をいち早く紹介してこられた
   茂登山長市郎(もとやま・ちょういちろう)氏
────────────────────────────────────
        「人生は運と縁の二つで決まる」
             
            茂登山長市郎(サン モトヤマ会長)

 私は今年の秋で満九十歳になるが、

 人生というものは「運」と「縁」の二つに尽きると
 最近になってつくづく思うようになった。

 運とは天から授かるもので、縁は自分からつくるものだ。
 煎じ詰めれば所詮、人生は誰に会ったか、誰と会えたかで
 決まってしまうと言っても過言ではない。

 私が茂登山家の商人の子として生まれたというのも運。
 戦争へ行った先で天津の街を見、
 ヨーロッパの文化に初めて触れられたのも運。

 戦地では五年間を過ごし、一時は野戦の病院で
 三十四キロにまで体重が落ちるなど、
 いつ死んでもおかしくない状態に陥ったこともあったが、
 奇跡的に立ち直り、再び野戦に戻っていった。
 これもまた運の一つ。

 復員した時に父が焼け野原の東京の有楽町駅前で
 店を続けてくれていたことは最大の運だが、
 しかもそれが有楽町の当時アメリカ村といわれた場所で
 外国人と直に会うチャンスがあったということも。

 一方で、有楽町の毎日新聞社の中で
 仕事をしていた報道写真家の名取洋之助さんに
 お会いすることができた。

 私はお会いするなり、これは大変な人だと思い、
 名取さんを尊敬し、この人から何でも得ようと思って、
 いろんなことを一所懸命に勉強した。
 これは自分からつくった縁。

 
 しかしよく考えてみると名取さんに会えたこと自体、
 有楽町にいたからという運なのかもしれない。

 つまり運と縁とは、表裏一体のものであると思う。
 天から授かった運をいかに掴むか、
 それをどれだけ感謝していただくか。

 
 そしてその運を生かすために、
 縁をどのように自らがつくっていくかが
 人生の決め手であると思う。


         
        * *


 僧侶であり作家でもあった今東光(こん・とうこう)先生も
 また私のことをよく可愛がってくださったが、
 ある時こんな話をしてくださったことがある。


 「長公、人間ってものは一番おもしろい動物なんだぞ。
  人間は美しいものが分かる。美しいものがつくり出せる。
  絵でも彫刻でも小説でも、あらゆる美というものをつくり出せる。
  美に遊べる唯一の動物なんだ。

  その人間に興味を持たなきゃダメだ。
  人間を好きにならなきゃ人生はつまらないものだぞ」
  
  
 今先生はいつも「人との出会いを大切にしなさい」と
 言われていた。そこからまた運も縁も生まれてくるのだと。

 いまの人は「自分は月給をもらっているから働いているんだ」
 という傾向が強く、言われたことだけは完璧にやる、
 という人が多いように見受けられる。
 
 しかし月給をもらっているのであれば、
 言われたことを百%やるのは当たり前のことだし、
 それは義務というものだろう。

 本当に自分が運と縁とを勝ち取ろうと思えば、
 人に言われないことをする。
 そしてあらゆることに感謝の気持ちを持つこと。

 
 これが天から運を授かり、それに続く縁と
 そのまた次の運をつくり出していくことに
 繋がるのではないかと私は感じている。