2011年8月11日木曜日

映画『再会の食卓』予告編


 先日、素晴らしい映画を観た。私は中国南京で10余年、仕事、生活したが、以前、ここには蒋介石が国民党政府を構えた。駐在時は何度か訪れた。やがて、中国共産党に敗れた国民党は台湾に逃れた。現在も中国は台湾の独立を認めていない。私の南京生活のマンションの大家さんはこの時、台湾に逃れた人だが、私も数回、台湾を訪問したが、日本が約50年統治していたが、統治下中に学校等の多くの施設を建造した。多くの老人は日本語が話せ、非常に親日家だ。南京の中国人の多くは台湾人を良く言わない。台湾と中国の複雑な関係を肌で感じた。

 映画のテーマーは恋愛で身籠り、戦争で引き裂かれた男女が40年振りの再会で、別れた後、それぞれは家庭を持った(恋愛では無い、偶然な生活する為の出会いでの結婚)。再会すると、余命僅かな男女は再度、一緒に過去の愛を再現する台湾での生活を決意するが・・・・・。愛とは?何か?何十年、共に生活して、互いに好感を持っているが、若い時の恋愛で結ばれた愛は、長年の育んだ関係より重い?人間関係とは?等、いろいろと考えさせられた。



ベルリン国際映画祭で2度目の栄冠に輝く
今、世界が最も注目するワン・チュエンアン監督最新作


2010年2月、ベルリン国際映画祭で快挙が成し遂げられた。ワン・チュエンアン監督が、前作『トゥヤーの結婚』で金熊賞(グランプリ)を獲得したのに続いて、最新作『再会の食卓』で銀熊賞(最優秀脚本賞)を受賞したのである。

戦争で夫と生き別れ、新しい夫や家族と平穏に暮らす妻の元に、40年以上の時を経て、元夫が帰ってくる。戸惑いながらも男を食事に招き、精一杯もてなす一家。しかし、彼には元妻に対する密かな願いがあった。「これからの人生、私と一緒に台湾で暮らしてほしい」。中国と台湾を隔てる悲しい歴史に翻弄された二人の夫と妻、そしてその家族。共に食卓を囲む彼らのそれぞれの思いが、溢れ出していく──。
2009年の中国国内の興行収入が史上最高の60億元(約750億円)を記録し、フォン・シャオガン監督の『唐山大地震』の興行収入が5億元を突破するなど、活況を呈する中国映画界。そして、チェン・カイコー、チャン・イーモウら中国映画第五世代と呼ばれる監督たちに続いて、『長江哀歌(エレジー)』のジャ・ジャンクー、『ふたりの人魚』のロウ・イエら第六世代、さらには第七世代も台頭し、国際映画祭を席巻している。そんな中、ワン・チュエンアンは、ベルリン国際映画祭で、前作『トゥヤーの結婚』の金熊賞に続いて、『再会の食卓』で銀熊賞を受賞。今や世界が最も注目する中国人監督となった。

今回ワン・チュエンアンは、台湾の老兵が上海の妻を訪ねるというニュースを元に、若手女性脚本家ナ・ジンと脚本を書き上げ、ひとつの家族に中国と台湾の関係を映し込んだ感動の人間ドラマを生み出した。また、撮影は『驚蟄』『トゥヤーの結婚』でも監督とタッグを組んだドイツ人カメラマン、ルッツ・ライテマイヤーが担当。高層ビルが建ち並ぶ上海の発展ぶりはもちろん、それとは対照的に所狭しと干された洗濯物、あるいは客を迎えるためにテーブルいっぱいに並べられた料理など──中国人にとっては日常であっても、我々外国人にとってはもの珍しい光景をもさりげなく切り取ってみせる。
イントロ1


 
イントロ2
ワン・チュエンアンが『トゥヤーの結婚』まで組み続けたミューズ、ユー・ナンの次にヒロインとして選んだのは、ベテラン女優リサ・ルー。アメリカを中心に、『ラストエンペラー』『ジョイ・ラック・クラブ』など海外の作品で活躍してきたリサ・ルーだが、実は上海育ち。上海語が不可欠な本作で、二人の夫の間で揺れる上海人女性を見事に演じてみせた。元夫を演じたのは、台湾で歌手、プロデューサーとして活躍してきたリン・フォン。台湾のテレビで初めて中国のことを紹介する旅番組を仕掛け、中台の架け橋となった重要人物だ。現夫を演じたのは、中国のベテラン俳優シュー・ツァイゲン。そして、イェンションを案内して回るユィアーの孫娘ナナを、注目の若手女優モニカ・モーが演じている。

中国と台湾の複雑な関係を背景にしながらも、“食卓”を舞台に、家族の在り方、家族で語り合うことの大切さを問いかける本作。上海の摩天楼の下にたたずむ小さな家で、長い歴史を刻み年老いた男女三人の、哀しくも美しい人生のドラマが再び始まろうとしている──

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