2011年4月23日土曜日

@kumikokatase 函館
理学博士(生物系)。翻訳修行中。 一児の母。 (片瀬久美子はペンネームです)

放射線の健康影響について-チェルノブイリ事故からAdd Starjrf (red)oku1 (green)cohalyottokiyu-kubolabox

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福島第一原発の事故は、これまで放出した放射性物質の総量などから、国際評価尺度(INES)でチェルノブイリと同じレベル7に分類されました。
とても深刻な事態ですが、これまでに大気に放出された放射性物質の量はチェルノブイリの約1/10です。
とはいっても、放射線の健康被害について気になる方も多いと思います。

参考までに、チェルノブイリ事故で放出された放射性物質の影響についてのWHOの概要報告を訳してみたので紹介します。
この報告書は、疫学的な見方の解説も要所でされているので、分かり易いのではないかと思います。

<誤解している人達もいる様なので、ここに書いておきます>
※基本的に放射線は人から人へうつりません。
もし人が放射線を帯びるくらいに被曝していたら、そもそも入院して動けない状態でしょう。福島から避難してきた人達から放射線が出ていて近づくと危険かも知れないと考えて、受け入れを拒否したり、子供の間で「放射線がうつる」と仲間はずれにするイジメがあったりといった、悲しい事が起きている様です。こういった誤解による偏見と差別は無くしていかなければなりません。
もし、周囲に誤解している人達がいれば、「放射線はうつらない」と教えてあげて下さい。

[追記]
その人が着ている服に放射性物質が付着していて、それがパラパラと落ちたりして他の人に「うつる」ということはあり得ることですが、途中で既に服を着替えている場合は、そんな心配は無いですよね。
荷物にしても、避難の指示が出されている比較的放射線量の高い区域内にある場所で外にずっと置きっぱなしにしていて埃だらけ泥だらけならば放射性物質が付着して残っているかも知れません。でも、身の回りの物をそんな状態にしていた人はいないでしょう。
事故があった原発周辺の地域でも屋内にあった物ならば、気にする必要は無いと思います。

問題にしているのは、「放射線を人体が帯びてしまって、体そのものから放射線を発している」と勘違いしている人達が意外と多いということです。(穢れているという様な、感覚的な恐れから来ている誤解かもしれませんが、この場合、人をバイキン扱いすることは大きく間違っています)
もちろん、人が瀕死か即死状態になるくらいの極端に高い量の被曝をすれば人体が放射線を帯びるといった事もあり得るでしょうが、まずそんな目に遭った人が普通に歩き回れるわけは無いです。

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チェルノブイリ事故の健康影響

1986年4月26日に、当時は旧ソ連ウクライナのチェルノブイリにある原子力発電所の4号原子炉で爆発があり、大気中に膨大な量の放射性物質が放出されました。これらの物質は主にヨーロッパ全域の国々、特にベラルーシロシア連邦、ウクライナの広域にわたって堆積しました。

最初に35万人と推定される軍からの清掃労働者あるいは「清算人」とよばれる人々発電所従業員、地域の警察官と消防士が、1986-1987年の間に放射線を帯びた破片類の封じ込めと清掃に従事しました。約24万人の清算人が、その原子炉の周囲30kmの範囲内で主要な軽減活動を実施している間に、最も高い放射線量を受けました。後に、登録された清算人の数は60万人にのぼりましたが、放射線の高いレベルの被曝を受けたのはその内のごく一部でした。

1986年の春と夏に、11万6千人がチェルノブイリの原子炉の周囲の地域から非汚染地域に避難しました。その他に23万人がその後数年間で移住しました。

現在は、約5百万人がベラルーシ、ロシア連邦、ウクライナにある放射性セシウムの堆積が37kBq/m2*1よりも多いレベルの地域に住んでいます。その中でも、約27万人はソビエト専門家によって厳戒制限区域(SCZs)とされた放射性セシウムの汚染が555kBq/m2*1を超えている地域に住み続けています。

避難と移住は、社会的な人間関係を分断したのと、その人達が家に戻る可能性が無いことから、多くの人々に深い心の傷となる経験を与えました。多くの人にとって、「被曝者」であることは社会的な不名誉となりました。

事故後の最初の数年間に人々に与えられた信頼出来る情報の欠如に加えて、公式発表の不信が広まり、そしてチェルノブイリからの放射線被曝に対する健康問題の誤った帰属がありました。

この概況報告書は、質の高い科学研究から立証できるチェルノブイリ事故の健康影響の概観を伝えます。事故により最も影響を受けた人々にとって、信頼出来る正確な情報の提供が彼らの立ち直りを手伝うはずです。

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福島出身の女性と結婚すると、将来子供を産めないか生まれた子に障害がでるのではないかといって「婚約破棄」をするといった愚かなことをする人達も出てきている様です。福島の事故と比べてずっと放射線の被曝量が多かったチェルノブイリ事故の被災者の間にさえ、特に問題は見出せなかったのですから、そういった恐れは杞憂だろうと思います。
もっとも、女性に対してその人の人格を尊重するのではなく子供を産む道具の様に見ていて、急に手のひらを返して欠陥品扱いし「婚約破棄」する様な人達とは結婚しない方が良いかもしれませんね。

以上、チェルノブイリ事故による放射線の健康への影響についてまとめた報告書を読むと、現時点での福島の事故は内陸部の汚染状況を比較するとそれよりも放射線量がずっと少ないことから、比較的放射線量の高い地域(原発周辺とその北西部)に長期間滞在しなければそれほど大きな問題は無さそうです。
水道水や牛乳や野菜類・肉類を含めた飲食物も放射能の検査が行われて基準値を超える物は極力排除されているので、これらを介した内部被曝も限られており、あまり心配し過ぎる必要は無いと思われます。
今後の問題としては、現在でも事故のあった原発から海に汚染水の流出が続いており、特に放射性セシウムなどの寿命の長い放射性物質がどの様に海の生物に影響していくのかはまだよく分からず、きちんとした監視が必要だろうと思います。

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