by teamnakagawa 放射線がカラダに与える影響には、2つのタイプがある |
放射線が生物に与える影響には、「確率的影響」と「確定的影響」があります。「確率的影響」は、ズバリ、「発がん」のことです。放射線による発がんは、がんの発生に関わる遺伝子(DNA)が放射線により障害を受けることで起こります。(注1)
注1: 確率的影響には遺伝的影響(子孫に対する影響)も含まれます。しかし、これは動物実験で認められたことがあるものの、原爆被爆者を中心とした長年の詳細な研究にも関わらず、ヒトでは認められたことがありません。
「確率的影響」=「発がん」が起こる確率は、ごくわずかな量の被ばくであっても上昇し、被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えられています。これ以下の線量であれば、大丈夫という“境目”=「しきい値(閾値)」がないのです。しかし、実効線量で100~150mSv(ミリシーベルト)未満の放射線被ばく(蓄積)では、発がんの確率が増すかどうか、はっきりした証拠はありません。
(注2)(参考: http://www.rerf.or.jp/rerfrad.pdf)
注2: 国際放射線防護委員会(ICRP)などでは、実効線量で100mSv(ミリシーベルト)未満でも線量に従って、一定割合で発がんが増加するという「考え方」を採用しています。これは、100mSv(ミリシーベルト)以下でも発がんリスクが増えると考える方が、被ばくが想定される者にとって「より安全」であるという理由によるものです。
さて、実効線量で100mSv~150mSv(ミリシーベルト)以上の被ばくになると、発がんの確率が増していきますが、100mSv(ミリシーベルト)で0.5%の上乗せにすぎません。200mSv(ミリシーベルト)では1%と、線量が増えるにつれ、確率は“直線的に”増えるとされています。
しかし、日本人の2人に1人が、がんになりますので、もともとの発がんリスクは約50%もあります。この50%が、50.5%あるいは51%に高まるというわけです。
もう一つ、「確率的影響」と区別しなければならない生物に対する放射線の影響とは、「確定的影響」です。こちらは、白血球が減ったり、生殖機能が失われたりするものです。この「確定的影響」は、放射線で細胞が死ぬことによって起こります。逆に、(確率的影響である)発がんは、死なずに生き残った細胞に対する影響と言えます。「発がん」以外のすべての影響は、確定的影響です。
私たちのカラダは60兆個の細胞から出来ており、毎日、毎日、その1-2%が死ぬと言われています。60兆個の1%とすると、毎日6,000億個が死ぬ計算です。しかし、そのことを私たちは何も“感じて”いません。
放射線によって、“自然死”以上に細胞が死んでも、被ばく線量が高くなって、死ぬ細胞の数が、あるレベルに達するまでは、障害は見られません。生き残っている細胞が、組織や臓器の働きを補(おぎな)えるからです。
死亡する細胞が増えて、生き残った細胞が、死んだ細胞を補えなくなる放射線の量が「しきい値(閾値)」です。放射線の量が、しきい値に達すると障害が現れますが、それ以下であれば大丈夫というわけです。わずかな量の放射線を浴びても発生する確率的影響と、ある程度の放射線を浴びないと発生しない確定的影響(白血球の減少、生殖機能の喪失など)は違うのです。
3月24日、3人の作業者の方が、足の皮膚に等価線量として数Sv(シーベルト)、言い換えれば、数千mSv(ミリシーベルト)、つまり、数百万μSv(マイクロシーベルト)の放射線を浴びたと報じられました。3Sv(シーベルト)以下であれば、皮膚の症状(放射線皮膚炎)はまず見られません。しきい値に達しないからです。
白血球が減り始めるのは実効線量で250mSv(ミリシーベルト、蓄積)程度からです。この線量が、すべての「確定的影響」のしきい値です。つまり、これ以下の線量では、確定的影響は現れないと言えます。
そして、私たち一般市民が実効線量で250mSv(ミリシーベルト)といった大量の被ばくをすることは想定できません。私たちが心配すべきは、「確率的影響」つまり、発がんリスクの上昇です。その他のことは、問題になりません。このことを皆様との共通認識としておくことはとても大事なことと思いブログに記載いたしました。
注1: 確率的影響には遺伝的影響(子孫に対する影響)も含まれます。しかし、これは動物実験で認められたことがあるものの、原爆被爆者を中心とした長年の詳細な研究にも関わらず、ヒトでは認められたことがありません。
「確率的影響」=「発がん」が起こる確率は、ごくわずかな量の被ばくであっても上昇し、被ばくした放射線の量に応じて増加すると考えられています。これ以下の線量であれば、大丈夫という“境目”=「しきい値(閾値)」がないのです。しかし、実効線量で100~150mSv(ミリシーベルト)未満の放射線被ばく(蓄積)では、発がんの確率が増すかどうか、はっきりした証拠はありません。
(注2)(参考: http://www.rerf.or.jp/rerfrad.pdf)
注2: 国際放射線防護委員会(ICRP)などでは、実効線量で100mSv(ミリシーベルト)未満でも線量に従って、一定割合で発がんが増加するという「考え方」を採用しています。これは、100mSv(ミリシーベルト)以下でも発がんリスクが増えると考える方が、被ばくが想定される者にとって「より安全」であるという理由によるものです。
さて、実効線量で100mSv~150mSv(ミリシーベルト)以上の被ばくになると、発がんの確率が増していきますが、100mSv(ミリシーベルト)で0.5%の上乗せにすぎません。200mSv(ミリシーベルト)では1%と、線量が増えるにつれ、確率は“直線的に”増えるとされています。
しかし、日本人の2人に1人が、がんになりますので、もともとの発がんリスクは約50%もあります。この50%が、50.5%あるいは51%に高まるというわけです。
もう一つ、「確率的影響」と区別しなければならない生物に対する放射線の影響とは、「確定的影響」です。こちらは、白血球が減ったり、生殖機能が失われたりするものです。この「確定的影響」は、放射線で細胞が死ぬことによって起こります。逆に、(確率的影響である)発がんは、死なずに生き残った細胞に対する影響と言えます。「発がん」以外のすべての影響は、確定的影響です。
私たちのカラダは60兆個の細胞から出来ており、毎日、毎日、その1-2%が死ぬと言われています。60兆個の1%とすると、毎日6,000億個が死ぬ計算です。しかし、そのことを私たちは何も“感じて”いません。
放射線によって、“自然死”以上に細胞が死んでも、被ばく線量が高くなって、死ぬ細胞の数が、あるレベルに達するまでは、障害は見られません。生き残っている細胞が、組織や臓器の働きを補(おぎな)えるからです。
死亡する細胞が増えて、生き残った細胞が、死んだ細胞を補えなくなる放射線の量が「しきい値(閾値)」です。放射線の量が、しきい値に達すると障害が現れますが、それ以下であれば大丈夫というわけです。わずかな量の放射線を浴びても発生する確率的影響と、ある程度の放射線を浴びないと発生しない確定的影響(白血球の減少、生殖機能の喪失など)は違うのです。
3月24日、3人の作業者の方が、足の皮膚に等価線量として数Sv(シーベルト)、言い換えれば、数千mSv(ミリシーベルト)、つまり、数百万μSv(マイクロシーベルト)の放射線を浴びたと報じられました。3Sv(シーベルト)以下であれば、皮膚の症状(放射線皮膚炎)はまず見られません。しきい値に達しないからです。
白血球が減り始めるのは実効線量で250mSv(ミリシーベルト、蓄積)程度からです。この線量が、すべての「確定的影響」のしきい値です。つまり、これ以下の線量では、確定的影響は現れないと言えます。
そして、私たち一般市民が実効線量で250mSv(ミリシーベルト)といった大量の被ばくをすることは想定できません。私たちが心配すべきは、「確率的影響」つまり、発がんリスクの上昇です。その他のことは、問題になりません。このことを皆様との共通認識としておくことはとても大事なことと思いブログに記載いたしました。
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